ダウン・バイ・ロー(Down by law)

1986年(フランス)
◎監督 ジム・ジャームッシュ
◎出演 トム・ウェイツ ジョン・ルーリー
ロバート・ベニーニ他
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※文章は、映画内容が一部ネタバレです

 ジム・ジャームッシュの映画の世界観が大好きなんですが、その中でも特にこのモノクロームの「ダウンバイロー」がピカいちで好きです。

 私の好きな映画の展開なんですね。一場所に集めさせられた犯罪者たち。牢屋モノ・限定空間、ああ素晴らしい!
 一場所モノの最高峰映画「蜘蛛女のキス」の次に好きでして。

 この映画、牢屋で一緒になった全く気の合わない3人の男の話なんですが、結局三人で画策して脱獄するんですね、紆余曲折したその後は別々に人生を歩むんですが。三人の配役の素晴らしいこと、素晴らしいこと。

 わたしはトム・ウェイツ好きで、この人出てれば「ドラキュラ」でも何でもいいんですね。トム・ウェイツの歌聞くと中学校生活を思い出すんですが、しかしトムは役者としても かなりの腕でして。
 
 今回残酷な役どころですけど、ジョン・ルーリーもシブイです。反抗的な役なくせに「仲間は置いていけない」的な仕草をジョンが見せるところなんか素敵過ぎるという言葉に尽きますが(笑)、こういうさりげない役作りにしみじみします。

 ロバート・ベニーニは、今や「マイビューティフルライフ」で知れた方ですが、ジムはこの役者さんが大好きみたいですね。「ナイトオンザプラネット」にもでていますし、その頃からいい味の役者さんだなぁと。

 完全にネタバレですが、ラストシーンで、ジョン・ルーリーとトム・ウェイツが、分かれ道で手を挙げて別れるシーンは心に残ったシーン、ベスト3に入ります。こんなに脳裏に焼き付いたラストはなかなか無くて、未だに夢で見るというか。ミニシアターで見終わった後、ボーと「この三人はこの先どうなったのだろう」と、想いを巡らせた覚えがあります。観た人にしかわかりませんが、観たら当分は「アイスクリーム♪アイスクリーム♪」と叫びながら、辺りを飛び跳ねたくなりますね(笑)。

 ジムの作品は「ストレンジャー・ザン・パラダイス」で、観客と評論家に喧嘩を売ったと賛否両論だったのですが、私は1時間たっても、ストーリーが進まないような映画は全然嫌いじゃないですが、「ナイト・オンザ・プラネット」、「ミステリー・トレイン」までいくと、どうもジムの持ち味がなくなってしまいました。
 なにか映画自体がアカデミックになりすぎたとゆうか、ジムの持ち味のひたすら もの悲しさを追うというしつこさがなくなってしまったような。おそらく彼が既に映画作りにストイックじゃ無くなったんだと思うのですが、昔の作品のような、悲哀のあるものが観たいなと思いますね。

 このDVDボックスはかなり前に発売されたモノで今は絶版です。わたしはこのDVDのデザインが気に入っているので、買っといてよかったって感じです。