World Design 世界と日本の雑誌デザインの違い


 ワシは昔「National Graphic GEO」をやっていた関係で、「外国モノを日本語に直すのに強い」と思われていた時期があり、日本の翻訳物は他にもいくつかやっています。
 NYに行った時は、その当時日本入手しにくかった「ワイヤード」「ID」「Vouge」など
 バックナンバーを研究の為に持ち帰って、毎日眺めていた時期があったものでした。

 言わずもがなですが日本版との違いは、フォントが英文だけのモノから、「ひらがな・漢字・カタカナ」の混合に組が変わると共に、「横組 左開きのZ組」が「縦組 右開きのN組」に変わること。ここがデザインにとっては大きな違いな訳なんですが。

 開きが違うという事はアイキャッチする目線が大きく変わります。
 「判読体型や目線動線が基本から変わる」という事なんですね。専門的なことでかなり長くなるので簡単に。

 日本人は「漢字」のイメージで、そのページがどういった内容かを、瞬時に大体知る事が出来るという事が、日本のデザインに大きく関係しているとワシは思っています。
 なので日本のデザイナーが、見出しやキャッチに関与して、デザイン優先で打ち出すのにはそれなりの意味があるという事で。

 欧米では「KANJI キャラクター」として、ピクトグラムや絵文字のような感覚で称されていて、フォルムがとても美しいと、人々の心を掴んだように、漢字には「絵の心」があるんですね。
 その存在自体に意味が有る事を、ワシ達日本人デザイナーは理解すべきなんですよね。

 あと、ビットちゃん(旦那さん)がよく出会う話では「カラー」の話があります。

 ビットちゃんは海外向けの欧米、中国、韓国、台湾…などとプロダクツデザインを多く手掛けます。わかっていることですが、色彩が各国で変わりますよね。
 同じ製品でもガラッと変わる、商品戦略の違いやターゲット層、カラーリングなどの違いには本当に驚くばかり。リパックされたパッケージを日本版の同製品と並べても同じとは思えない。

 ビットちゃんの作って来た欧米向け什器は、美術品のようなフォルムのニーズが高いのですが、
 やはり欧米でのディスプレー用の什器は「アート」として扱われていると、とても感じますね。